折井宏司
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折井宏司

【おりいこうじ】

出典:Nipponism.jp

日本, 富山県高岡市長江530

高岡銅器 momentum factory Orii/折井 宏司

高岡銅器/高岡伝統の400年の技に、さらに磨きをかける男。

     

叔父の檄によって、家業を継ぎたいとの思いが目覚めた。”。

その職人の名は「折井 宏司(おりい こうじ)」。折井氏は、高岡で昭和二十五年に創業した「折井着色所」の三代目として生まれた。初代は祖父の竹次郎氏。二代目は祖父を師匠として育った、折井氏の父である雅司氏。江戸時代から歴史を紡ぐ高岡銅器は、花瓶や茶道具、置物、仏具、銅像など、銅器分野ではシェアが9割をしめると言われている。その製造工程は、しっかりと分業化されており、各工程を高度な技術を持った職人がそれぞれ受け持つ。その工程のなかで「折井着色所」は高岡銅器の着色工程を専門に担ってきた。赤みや青み、茶褐色など、鍋の持つ多彩な表情を引き出す独特の色みに定評がある。皇居の装飾具も手掛けるほど、その実力も認められている。
そんな「折井着色所」の三代目である折井氏、当然、本人も子どもの頃から家を継ぐものと思っていたそうだが、いったんは東京へ出て仕事をしている。「東京に行って、IT系企業に勤めました。仕事も順調でしたし、楽しかったですよ。」
しかし、充実したサラリーマン生活を送っていたある日、東京で成功を収めていた叔父と話す機会があった。「僕も東京で成功して、叔父さんみたいになりたい、と言ったんですよ。そうしたら叔父は激怒しましてね。『馬鹿野郎!お前が折井着色所を継がなきゃ、高岡伝統の技は、なくなってしまうんだぞ!』って」。
この言葉を受けて、折井氏はあたらめて祖父の代から続く家業を継ぎたいとの思いを強くする。そして1996年、26歳の時に高岡に戻り、折井着色所に入社した。

 

高岡銅器 momentum factory Orii

 

高岡銅器/折井 宏司

 

単なる「加工屋」から「モノづくり企業」への転換。

折井氏の帰郷直後、バブルがはじけ長引く不況の影響から、会社は大幅な赤字になってしまった。危機感を募らせた折井氏は、待つだけの単なる「加工屋」から、自主的にモノを創れる「モノづくり企業」への転換を決意する。「東京から戻ったものの、バブルもはじけて、仕事はほとんどなかったです。でも『折井の息子が戻ってきて継いだけど、結局ダメで東京に逃げ帰ったよ』なんて言われるのが癪で、自分たちでモノづくりができるように、着色技術以外のことも勉強したんです」。

 

     

この発色技法をあみ出していなければ今現在、着色業として当社は存続できていなかった。

銅の色付けに必要な素材は、大根、糠(ぬか)、米酢、梅干、日本酒などがあある。この基本となる色付けをベースに、折井氏は試行錯誤をかさね、偶然、「クジャク色」を創り出す。「もう必死でした。偶然にできたクジャク色を、安定して出せるようになるまでには1、2年かかりました」。お爺さんの技、父の技を思い出し、ニ人の残した技を組み合わせながら、試行錯誤する日々。熟練の職人なら決して用いないような邪道ともいえる組み合わせも含め、独自の感性で次々に試した。だからこそ芸術性の高い、新しい着色法は生まれたといってもいい。「今、この色付けの技術ができていなければ、大げさでなく、高岡銅器の業者は、ほぼなくなっていただろうと思います」。
こうしてオリジナルのクラフト作品が創れるようになったころ、ニューヨークの展示会に出品。外国の建築家やデザイナーから称賛を浴びることとなった。

 

高岡銅器 momentum factory Orii

     

高岡銅器 momentum factory Orii

 

伝統に培われてきた高岡銅器の着色技術は今も進化中。

モメンタムという社名には、「弾み、勢い」 といった意味がある。伝統にとらわれない斬新な取り組みで、社名を体現するような活躍をみせる折井氏。モメンタムファクトリー・Orii が開発した銅・真鍮の着色技法は、平成22年に富山県の地域資源ファンド助成事業、23年に国の地域資源活用事業に認定されている。400年の伝統に培われてきた高岡銅器の着色技術を、現代にマッチしたものに進化させるため、折井氏は今日も技を磨き続けている。

出典:Nipponism.jp

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