細川紙(小川和紙)

埼玉県小川町周辺で生産されている、楮を原料とした手すき和紙の名称。同地域で生産される小川和紙の中でも代表的な紙である。紙の地合がしまって、紙面にけばだちが生じにくい強靱(きょうじん)な楮紙である。江戸時代、小川を中心とした比企・秩父・男衾が和紙の一大産地に発展し、各種の紙が漉かれた。和歌山の高野山麓の紙漉き場である細川村で漉かれたことが「細川紙」の名称の由来であるというのが有力。細川紙の用途はかつては土地台帳、大福帳、記録用紙など、強靱性が特に求められるものに広く用いられていたが、しだいに需要が減少し、現在は和本用紙、文庫用紙、たとう紙などに使用されている。2014年11月27日、細川紙の手すきの技術は、09年にすでにユネスコ無形文化遺産に登録されている島根県の「石州半紙」、岐阜県の「本美濃紙」に続き、2014年11月27日、ユネスコの無形文化遺産へ登録されることが決定した。

要約の出典

コトバンク

つくりて

小見出

技法