高麗焼(朝鮮産の陶磁器の古いよび名)のうちで鉄絵文様のあるものという意味であるが,古くは中国陶磁の鉄絵文様のあるものもこの名でよばれた。江戸時代の茶人が珍重した絵高麗梅鉢茶碗の類は,中国北部民窯の製品である。近代になって,高麗時代の古墳から出土した高麗青磁の中に,鉄絵文様のあるものがあり,これも絵高麗とよばれた。また中国宋・元時代の陶磁器が注目されるようになると,それらの中に少なからず含まれた北部民窯産の鉄絵文様のある陶磁器も,絵高麗とよんだ。