灰釉とは木々や藁(わら)の灰を原料として釉薬を作り、それらを掛けて焼かれた陶器のことです。釉薬そのものを指して呼ぶこともあります。焼締めは釉薬をかけず、土そのものを焼いた品で、それらに薪などの灰がかぶったものを灰被りと呼びます。灰釉はこの灰被りを意図的に応用したもので、灰に長石などを混ぜて、器に掛けることにより、水や油分から器体を保護したり、装飾の役目も果たします。その結果、侘びのある落ち着いた雰囲気と、土の持つ個性を引き出してくれる作品に仕上がります。