乾燥させた素地に釉薬をかけずに高温(1100℃~1300℃)で焼成する。窯は本来、登り窯や穴窯を使用し、薪や藁を燃料とする。焼成窯の大きさにより焼成時間は違いがあるが大きな窯では2週間にも及ぶことがある。窯の中で器物の一部に降灰したものが長時間の高温により溶けてガラス質に変化し釉薬代わりとなる。これを自然釉(灰釉)といい、焼締めの大きな特徴の一つである。 素地は多孔質であり、備前などの水瓶などのように水が腐敗しにくいと言われたり、ビアカップにビールを注ぐと細かい泡が発生して口当たりがよくなると言われている。また食器としては、土の組成にもよるが一般的には荒く使いにくい器がある。使用前には、充分に水に浸して置くと雰囲気が変わり焼締めの持つ美しさがより奥深いものになる。