油滴天目

天目茶碗の一つです。福建省の建盞で焼かれていました。黒字に油の滴のような金・銀・紺の輝く斑紋から油滴と呼ばれています。曜変天目に勝るとも劣らない美しさです。

国宝 油滴天目茶碗 大阪市立東洋陶磁器美術館蔵

天目は黒釉の碗という意味にも使われています。この名称は中国の浙江省北部の天目山に由来しているといわれます。油滴天目は福建省にある建窯で焼かれたもので「建盞(けんさん)」とも呼ばれています。水面に浮かぶ油の滴のようにみえる金・銀・紺に輝く斑点から油滴と呼ばれています。油滴は釉薬に含まれる鉄分が雄の表面で結晶したもので、中国では「滴珠」と呼ばれています。口縁部に施された金覆輪は、口縁部を補強するためのものですが、見た目にもアクセントになっています。本品は鎌倉時代に日本にもたらされ、関白豊臣秀次が所持し、のち西本願寺、京都三井家、若狭酒井家に伝来しました。南宋時代の漆の天目台3点が添えられています。

大阪市立東洋陶磁器美術館

重要文化財 油滴天目茶碗 九州国立博物館蔵

南宋時代(12〜13世紀)に、中国南部の窯(建窯)で作られた天目茶碗です。高温の窯の中できわめて稀に化学変化をおこし、器の表面にあたかも油滴が飛び散ったような模様を作り出すので、その名があります。漆黒の底部から徐々に青みを帯びて縁にいたる色の変化が絶妙であり、これほど美しい油滴天目茶碗は大変貴重です。

九州国立博物館振興財団

河井寛次郎 油滴天目-滴珠茶碗 [鐘渓窯]

河井寛次郎の鐘渓窯時代初期の作品。一般的には油滴天目ですが、箱書きには「滴珠」となっており、若き寛次郎の中国陶磁器[宋磁]への憧憬が感じられます。高格で落ち着いた油滴天目は、日本の美意識にアレンジされています。釉薬の天才を呼ばれた寛次郎の神髄の凄みを感じられる逸品です。他に類を見ない作品として貴重作。

銀座 黒田陶苑